メールマガジン・LINE配信と薬機法——CRMコンテンツの注意点
化粧品の定期購入維持・リピーター育成に欠かせないのが、メールマガジンやLINE公式アカウントを使ったCRM施策です。しかし「既存顧客へのメールだから大丈夫」「LINEのメッセージは広告じゃない」と思っていたとしたら、それは誤解です。メールマガジン・LINE配信も薬機法・景品表示法の規制対象になります。本記事では、CRMコンテンツにおける薬機法の注意点を整理します。
第一章|メールマガジン・LINE配信が広告として規制される理由
薬機法第66条の規制対象は「広告」ですが、ここでいう広告の定義は媒体を限定していません。行政の解釈では「広告」に当たるかどうかは次の3要件で判断されます。
①顧客を誘引する意図があること、②特定の商品の表示であること、③一般人が認知できる状態に置かれていること——この3要件をメールマガジン・LINE配信が満たす場合、「広告」として薬機法の規制対象になります。
既存顧客向けのCRMメールであっても、商品の購入を促す内容であれば①②を満たします。受信者が実際にメールを開封できる状態に置かれていれば③も満たされます。つまり、送る相手が既存顧客であっても、薬機法の規制は適用されます。
第二章|メールマガジンでよくある薬機法上の問題表現
CRMメールでは次のような問題表現が入り込みやすい傾向があります。
継続使用を促す際の効能誇大訴求。「使い続けることでシワが目立たなくなります」「3ヶ月後には肌が生まれ変わります」など、継続使用の効果を過剰に訴求する表現は問題になります。「続けることで、うるおいのある肌をキープできます」など、化粧品効能の範囲内での表現に整えます。
定期購入継続を促すコピーの誇大表現。「このまま継続しないと効果がリセットされます」という表現は、科学的根拠が不明確な場合、消費者に誤認を与えます。「継続使用でうるおいを保ちやすくなります」程度の表現が適切です。
季節・キャンペーンメールの数値表現。「夏の紫外線で肌へのダメージが○倍に」「この時期だけ、シミが増えやすい」などの数値・断言表現には根拠が必要です。数値の出典を明記するか、根拠を示せない数値は避けます。
第三章|LINE配信に特有の注意点
LINE公式アカウントを使ったメッセージ配信は、近年化粧品ブランドのCRMに欠かせないツールになっています。LINEには独自の注意点があります。
吹き出し形式の「会話っぽい表現」に潜むリスク。LINEのメッセージは吹き出し形式で届くため、日常会話のような親しみやすい表現になりがちです。しかし内容が誇大広告に当たれば、会話調の文体であっても薬機法上の問題になります。
リッチメッセージ・カルーセル内の表現。LINEのリッチメッセージ(画像+テキスト)やカルーセル(複数画像のスライド形式)にも、薬機法・景表法のチェックが必要です。視覚的なインパクトが強い分、誇大表現が入り込みやすいフォーマットです。
ステップ配信の定期的な見直し。ステップ配信は一度設定すると長期間にわたって同じ内容が自動送信されます。設定時に問題がなくても、法改正・行政指導の実例変化によって後から問題になる表現が含まれる可能性があります。定期的な内容の見直しが必要です。
第四章|薬機法に準拠したCRMコンテンツの設計指針
薬機法を守りながら、定期購入の継続率・LTVを高めるCRMコンテンツを作るための設計指針を整理します。
「効能訴求」より「使い方・体験の深化」で価値を伝える。「このクリームを使うとシワが消える」ではなく、「このクリームをこう使うと、うるおいが長続きする理由」のような使い方の深掘りコンテンツは、薬機法の効能訴求に触れずに顧客エンゲージメントを高めます。
成分・原料・開発背景のストーリーを届ける。ブランドや商品の裏側にあるストーリーを届けることは、顧客の愛着を深め、薬機法的にも問題になりにくいコンテンツです。「この成分を選んだ理由」「開発担当者が伝えたかったこと」などのコンテンツがCRMに向いています。
季節・ライフスタイルに連動した情報提供。「この季節の乾燥対策」「日焼け後のスキンケアの順番」など、顧客の生活に役立つ情報を提供するコンテンツは、薬機法上の効能訴求に触れずに顧客との関係を深めます。
まとめ
メールマガジン・LINE配信は「既存顧客向けだから」という理由で薬機法・景表法の適用外になるわけではありません。CRMコンテンツにも広告と同じチェックの目を向けることが必要です。一方で、薬機法の範囲内でもCRMの効果を高める表現設計は十分に可能です。
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公開日:2026年 | カテゴリ:薬機法基礎 | 執筆:ライジング・コスメティックス マーケティング戦略室







