2024年は安心、安全と思われていた健康食品に甚大な健康被害があり大きな話題となりました。
今年、行政措置命令が行われた化粧品、健康食品、機能性食品に関連する事例を以下にまとめます。
主要事例
- 小林製薬の紅麹関連健康食品
日付: 2024年4月10日
製品: 「紅麹コレステヘルプ」など3製品。
- 紅麹コレステヘルプ(45粒 15日分、90粒 30日分、60粒 20日分)
- ナイシヘルプ+コレステロール
- ナットウキナーゼさらさら粒 GOLD
- 問題: 健康被害の可能性。紅麹成分に基づく誇大な効能効果表示が薬機法および景品表示法に違反。
- 違反根拠: 効果を科学的に裏付ける根拠が不十分で、医薬品的効能を謳った広告表示が問題視された。食品衛生法による安全基準の指摘もあり、自回収が指示された。
・ 紅麹を含む特定のいわゆる「健康食品」を摂取した者で健康被害が多数報告されていることに加え、2名の死亡事例が報告されました。
- 違反根拠:
食品衛生法(昭和22年法律第233 号)第6条第2号
当該違反品は、有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるものであるため
- リアラスター株式会社の化粧品広告と販売手法
- 日付: 2024年11月1日
- 製品: 化粧品(美容液等)
- 問題: 誇大広告と不適切な契約条件表示。特定商取引法に違反する3か月間の業務停止命令が下されたが、一部で広告画面が閲覧可能となっており、命令違反の可能性も調査中。
- 違反根拠:
特商法違反: 定期購入契約条件を適切に明記せず、消費者を誤認させた。
景品表示法違反: 効果を保証するような虚偽広告。消費者相談件数が非常に多く問題視された。
- 大正製薬「NMN taisho」
- 日付: 2024年11月13日
- 製品: NMNサプリメント
- 問題: 「若返り」効果を暗示する未承認の効能効果表示が薬機法違反。
- 違反根拠: 科学的根拠に欠ける効果表示が問題となり、SNS広告でのPR依頼が景品表示法の透明性規定に違反していたと指摘。
- RIZAPのステルスマーケティング
- 日付: 2024年8月9日
- 製品: 美容・健康機器(セルフ脱毛機器)
- 問題: SNS広告でPR依頼であることを明示せず、消費者を誤認させたとして景品表示法違反。
- 違反根拠: 広告規制において、第三者投稿である旨の明示義務を怠ったことが問題に。さらに、医療機器と誤認される可能性のある広告表示が薬機法違反に該当。
- 株式会社サンの健康食品販売
- 日付: 2024年3月15日
- 製品: 健康食品。
- 問題: 不適切な販売条件表示と誇大広告。3か月間の業務停止命令。
- 違反根拠: 健康効果に関する科学的根拠が不足しており、未承認の効能表示が薬機法に違反。また、特商法の契約条件に関する透明性規定を満たしていないと認定された。
薬機法違反
・医薬品として承認されていない製品に対し、「健康増進」「病気予防」などの医薬品的表現が行われる場合、薬機法違反とされます。2024年の事例では、健康食品や美容機器が特に問題視され、科学的根拠の不備が指摘されています。
特商法違反
- 特定商取引法では、契約条件や広告の透明性を義務付けています。リアラスターのように、消費者に誤解を与える契約条件(例:定期購入の解約条件が不明確)や、一部地域での業務停止命令を無視した行為が摘発されました。
景品表示法違反
- 効果や特長を誇張して広告を行い、消費者に誤認を与える場合、景品表示法違反となります。特にSNSを利用したステルスマーケティングや誇大広告が厳しく取り締まられています。
これらの行政措置命令は、消費者保護を目的として、広告規制の厳格化や販売手法の適正化を進める一環として行われました。