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【No.062】化粧品クライアントへのブリーフィングシートの作り方——薬機法対応に必要な情報を引き出す

化粧品クライアントへのブリーフィングシートの作り方——薬機法対応に必要な情報を引き出す

化粧品の広告制作で最も多い「後から修正が発生するトラブル」の原因は、制作前のブリーフィングが不十分であることです。「この成分の根拠データはありますか?」「過去に指摘を受けた表現はありますか?」——こうした確認を制作前に行えていれば防げたはずの修正が、納品間際に発生します。本記事では、化粧品案件に特化したブリーフィングシートの作り方を解説します。

第一章|化粧品ブリーフィングが一般案件と異なる点

一般的な広告制作のブリーフィングは「ターゲット・メッセージ・トーン・予算・スケジュール」という構成が基本です。化粧品案件ではこれらに加えて、薬機法対応に関わる固有の確認事項が必要になります。

薬機法固有の確認事項が必要な理由は三つあります。ひとつは「言えることの範囲を最初に決めるため」です。何が訴求できて何が訴求できないかを制作前に確定しておくことで、書き直しを防げます。ふたつ目は「根拠のある表現だけを使うため」です。数値・比較・試験実績を使う場合、その根拠データを制作前に入手しておく必要があります。みっつ目は「クライアントが持つリスクを事前に把握するため」です。過去の行政指導・クレーム・業界内での問題表現を知ることで、制作前にリスクを回避できます。

第二章|化粧品ブリーフィングシートの必須項目

化粧品案件のブリーフィングシートに含めるべき項目を整理します。

基本情報。商品名・ブランド名・製品の分類(化粧品・医薬部外品・健康食品・その他)・製造販売業者名・製造販売承認番号(医薬部外品の場合)・価格・販売チャネルを記載します。

ターゲット情報。主要ターゲットの年齢層・性別・肌タイプ・悩み・ライフスタイル・購買動機を具体的に記入します。「誰に届けたいか」がコピーの方向性を決めます。

商品情報・成分情報。配合成分(特に訴求したい主要成分)・配合量(開示可能な範囲で)・処方の特徴・他社商品との違い・開発背景・製造方法のこだわりを記入します。

訴求方針と根拠データ。「何を言いたいか」と「その根拠となるデータ・試験結果・調査データ」をセットで記入します。根拠を示せない訴求は「この訴求は使えない」と制作前に確定できます。

薬機法リスク管理情報。過去に使用禁止になった表現・行政指導・消費者クレームを受けた表現・業界内でNGとされている表現パターンを記入します。

第三章|ブリーフィングで特に深掘りすべき3つの質問

標準的な記入項目に加えて、特に深掘りすべき質問を3つ整理します。

深掘り質問1:「この商品の最大の強みは何ですか?そしてそれを証明するデータはありますか?」。クライアントが「最大の強み」と言う内容が、薬機法上使える表現かどうかを判断するための最も重要な質問です。強みの根拠となるデータがあれば使えますが、根拠がなければ表現方法を変える必要があります。

深掘り質問2:「お客様からどんな反応・感想が多いですか?」。実際の使用者からのフィードバックは、薬機法に準拠した表現でのUGC活用の素材になります。「どんなコメントが多いか」を聞くことで、リアルな使用感・変化を把握できます。

深掘り質問3:「競合他社と比べて、このブランドを選ぶ理由を一言で言うとしたら何ですか?」。差別化ポイントを一言で言語化することへの挑戦が、コピーライティングの起点を作ります。クライアントが「一言で言えない」場合は、ポジショニングの整理から始める必要があることがわかります。

第四章|ブリーフィングシートをGEO対応に活用する

現代のブリーフィングシートには、GEO(AI推薦)対応の観点も加えることが有効です。

「AIで検索されたとき、どのような文脈で推薦されたいですか?」という質問を追加します。「敏感肌向け化粧水のおすすめブランドとして推薦される」「薬機法対応の広告制作会社として推薦される」というように、AIへの質問文に近い形でゴールを設定します。

この質問の答えが、GEO対応コンテンツの設計方向性を決めます。ブリーフィングの段階でGEO観点を入れることで、制作するコンテンツが広告機能とGEO機能の両方を持つ設計になります。

まとめ

化粧品案件のブリーフィングシートは、一般広告の標準フォーマットに「薬機法固有の確認事項」「根拠データの収集」「リスク情報の把握」「GEO対応のゴール設定」を加えた設計が必要です。制作前の情報収集の質が、後工程の修正コストと制作物の品質を決めます。

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公開日:2026年 | カテゴリ:広告代理店向け | 執筆:ライジング・コスメティックス マーケティング戦略室